不定期連載「ジャケ買い放浪記」その4

不定期連載「ジャケ買い放浪記」その4


何となく「ジャケ買い」レコード・CD・書籍などをアップ。第四回。
とはいえ、ほとんど「ジャケ買い」しないので
仮に内容を知らなくてもこれは「ジャケ買い」しただろう、という基準。

今回は最近のネタ。
先日時間が空いた折り新宿界隈ディスクユニオン巡り。
(どうでもよいが私の周辺ではこれを「ユニオン・パトロール」と呼んでいる)

でパトロール中「音痴CD」コーナーなるものを発見。
これは素晴らしい。
こういう懐の深いチョイスが音楽生活を豊かにしてくれる(のかもしれない)。


その中で一際目立ついい加減といいうか良い加減なジャケット。
Jack Mudurian ジャック・マデュリアン
バックカードの説明(英語)を見ると、

ボストンの老人ホーム在住歌うことが大好きなジャック・マデュリアンさんは
シナトラくらい多く歌を知っていておよそ45分で熱唱129曲編集なしの実況録音盤

というようなことが書いてある。

ジャケット写真を見る限り、初老といった感じで老人ホームに入る歳には見えないが、
まあ説明のとおりと思っておこう。


頭の中ではタイニー・ティム的なジューク・ボックス爺さんが
ヤンデックばりにヨレヨレ歌っている姿をイメージしつつ
ハーフ・ジャパニーズの老人ホーム慰問ライヴでおもむろに演奏中のバンドに加わり
ハーモニカを吹き出す老人の姿がオーバー・ラップ。
もうすぐ古希のルー・リードvsメタリカ新譜、どっちを買おうかしばらく迷うが、
どう考えてもこっちがアタリに思え購入決定。
たぶん日本で30人くらいは分かるだろうかこの気持ち。


日曜日、まだ誰もいない事務所で爆音でかけ堪能。
1曲平均21秒。忘れた歌詞の大半はラララ~で押し通す胆力、アカペラでなかなか歌はうまい。
音痴CDではなかったが、無邪気な歌が素晴らしい。
おかげで「世を憂い40代で老人ホームに入ろうとして怒られた」とある人を久しぶりに思い出した。
良い買い物だった。

ちなみに英語版のwikiでは「novelty singer」とある。珍奇歌手か。


(北村)



  1. 2011/11/07(月) 21:09:36|
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不定期連載「ジャケ買い放浪記」その3

不定期連載「ジャケ買い放浪記」その3


何となく「ジャケ買い」レコード・CD・書籍などをアップ。第三回。
とはいえ、ほとんど「ジャケ買い」しないので
仮に内容を知らなくてもこれは「ジャケ買い」しただろう、という基準。


一回・二回とレコードを紹介しましたが三回目は書籍。

『路傍の性像 セクシー道祖神巡礼』(伊藤堅吉・著、1965年/図譜新社)
「ジャケ買い」といいますか「タイトル買い」ですね。
タイトルが全てを物語っています。
路傍のセクシーな道祖神をあつめた本です。
まさか「セクシー」と「道祖神」の文字が並ぶとは思ってもみなかったので、
古書店で見つけた時は思わず二度見。

セクシー 道祖神
   函入り。中身は買ってのお楽しみ!某番組の「部長」なんて屁のカッパ。こちとら「カミサマ」!



掲載プロフィールによりますと、著者・民俗学者の伊藤堅吉(1908生)は
「民俗性科学を専攻、僻地民俗のセックス研究に半生山野を彷徨…1956、文部省令学芸員となり、
日本第1号で随一の公認セックス民俗博物館を興し…純潔社会教育の透徹に挺身。」
云々とあります。純潔社会教育です。

なかなか奇抜なタイトルではあるものの、民俗学者の著作ですから中身はいたって真面目。
セクシー写真と文章のギャップが緩い可笑しみを感じさせることもありますが、
充実した写真・データ・地図で見所満載・読み応え十分。
(タイトルのとおり、この本を持って「巡礼」ができるようになっている)


都内の展覧会で観る京都・奈良などから出張してきたエリート仏像も素敵ですが、
こうした一見粗野・朴訥としていながら、
おおらかで生命力のみなぎった土俗の像もまた味わい深いですね。
聖俗習合した古い民衆芸能などとも少なからず共通点を感じます。


私も温泉巡りの際、いくつか見かけたことがあります。
ありゃーすごかった。


(北村)


  1. 2011/09/29(木) 15:30:59|
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不定期連載「ジャケ買い放浪記」その2

不定期連載「ジャケ買い放浪記」その2


何となく「ジャケ買い」レコード・CD・書籍などをアップ。第二回。
前回も書きましたが、ほとんど「ジャケ買い」しないので
仮に内容を知らなくてもこれは「ジャケ買い」しただろう、という基準で選んでいます。


二回目はコレ。クラシックを取り上げようと思います。

『ベートーヴェン人生劇場 残侠篇』
発売は1971年あたりでしょうか、ビクター傘下の「POP Record」からリリースされた代物。
現在でも続く長寿テレビ番組『題名のない音楽会』の一企画「ベートーヴェン人生劇場」を
レコード化したものです。放送は1970年のよう。

ベートーヴェン
   見よ、このチープなサイケデリック感溢れるジャケット・デザイン。
   輝くタイトル『ベートーヴェン人生劇場 残侠篇』!
   東京交響楽団指揮するは「石丸寛」その後ろ姿!
   浪曲師に扮した「小沢昭一」が唸りをあげる謎の3カット!


小沢昭一がベートーヴェン(ベーの字)の人生を虎造ばりの浪曲仕立てで紹介する
謎の演目「ベートーヴェン人生劇場 残侠篇」。
曲師の三味線の他、東京交響楽団による合いの手も入ります。
広澤虎造『石松三十石船道中』など元ネタを知っているとより楽しめますが、
その知識がなくとも十分聴衆を引きつける見事な芸です。

黛敏郎いうところの神格化されたベートーヴェンを、
より大衆的な芸能によって人間(ベーの字)として捉え直し、
さらにその芸能・浪曲がもつ豊かな表現力をあらためて示顕させるという企画。
荒技ながらもここまで決まると気持いいもの。


この企画、残侠篇の他にもいろいろシリーズがある模様ですが、全てが浪曲仕立てかどうかは分かりません。
『題名のない音楽会』の各回タイトルを調べたサイトなどもありましたので、
気になる方はそちらで調べてみてください。
ちなみに小沢昭一のCD集『小沢昭一全集 唸って、語って、歌って、小沢昭一的こころ』にも収録されていたはず。


そうそう、これはA面。
B面は義太夫『ワーグナー人生劇場 不倫篇』です。
ふはっ!!


(北村)


『ベートーヴェン人生劇場 残侠篇』
企画・解説:黛敏郎
企画・協力:皆川達夫
脚本:藤田敏雄
指揮:石丸寛
演奏:東京交響楽団
浪曲:小沢昭一
三味線:杉山うた江

『ワーグナー人生劇場 不倫篇』
企画・解説:黛敏郎
構成:藤田敏雄
指揮:石丸寛
演奏:東京交響楽団
義太夫:竹本朝重
三味線:鶴沢津賀昇

メンツが凄いぞ!!


  1. 2011/09/14(水) 16:00:31|
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不定期連載「ジャケ買い放浪記」その1

不定期連載「ジャケ買い放浪記」その1


何となく「ジャケ買い」レコード・CD・書籍などをアップしていこうと思います。
とはいえ「ジャケ買い」したことがほとんどありません。
おおよそ内容に興味があり買ったものですが、
仮に内容を知らなくてもこれは「ジャケ買い」しただろう、ということで。

作っている側からしてみると「ジャケ買い」してもらうというのは素直に嬉しいもの。
その音楽家や作家を知らない人とのパイプ役になったわけですから、
正にデザイナー冥利に尽きるものです。

まーちょっとしたユルい「ジャケ買い」のススメみたいなものです。
ということで一発目はコレ。


日本の昔話
   衝撃の「遺影」ジャケ。見よこの夫婦愛。「レコードの写真撮りますよ」「じゃあお父さんも一緒に」


1974年から二期に分けて計10タイトル発売された
『現地録音◎日本の昔話 古老たちが語る生活と伝承』というシリーズ。
古老たちの語り・民話とそれに対するコメンテーターの解説などが収録されています。
その第二期、第七弾目にあたります。

ちなみに内容はこんな感じ。

『現地録音◎日本の昔話 古老たちが語る生活と伝承(7)岡山県』

side-1
1. スカラカッポの瀬戸ヶ浜(賀島飛佐)
2. 桃の種とオサヨ(賀島飛佐)
3. 談話《おばあちゃんの新婚時代》(賀島飛佐)
4. 桃太郎(賀島飛佐)

side-2
1. 俵薬師(堀本鶴子)
2. 談話《しあわせは自分でつくる》(堀本鶴子)
3. 坊さん狸(堀本鶴子)
4. 田之久(日名安男)
5. 梨取り爺(立田武重)



このシリーズ、制作はビクターと小沢昭一率いる芸能座。
『日本の放浪芸』シリーズが有名ですが、昔語に焦点をあてたものも出ていたのです。

第一期のコメンテーターは同じ芸能座の俳優・山口崇氏。
「クイズタイムショック」の司会でも有名ですね。
氏は民話研究家でもありますから正に適役でしょう。
とはいえこのシリーズが民話研究のきっかけになったのか、
もともと研究されていたのか分かりませんが。

第二期は俳優・朝比奈尚行氏。
この方、刈羽瞽女・伊平たけのレコード『しかたなしの極楽』(1973)でもコメンテーターを
されていました。放浪芸~大衆芸能を追っていたのでしょうか。
そのプロフィールでは当時劇団「自動座」主宰とあります。
現在はパフォーマンス劇団「時々自動」を率いて活動されているようです。


で、このシリーズはとにかくジャケット写真が良い。
インパクトがあるので「遺影」ジャケにしましたが、
他の9タイトルどれも良い写真、良いデザインです。
写真・デザインは「渡辺千尋」とありましたが、詳しい事はあまり分からず。
同姓同名で銅版画家がいらっしゃり、装丁やグラフィック・デザインもされていたようなので
その方かもしれませんが、2009年に亡くなられた模様。
ご存知の方いらっしゃいませんか?


また、今これを10枚揃えようという酔狂な人はなかなかいないと思いますが、
万が一、万が一ご要望がありましたら10枚分ジャケ写アップ検討してみます。


あとビクターさん!再発しましょう。
ジャケットの復刻作業、リイシュー・デザインは是非弊社で。


(北村)


  1. 2011/08/29(月) 16:16:12|
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