そうだ、三上寛が居る。

三上寛
-1
(マイナス・イチ)

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以前の作品を。
歌手・俳優としてもおなじみ三上寛さんの『-1』2009年の作品です。
P.S.F. Recordsのプロデューサー生悦住英夫さんから電話一報、
寛さん曰く「新作タイトルは-1、イメージは幾何学でよろしく、音はいつもの感じです」
という簡潔かつ核心を突いた伝言だけが唯一のデザイン素材。
音も一発録りとライヴ感覚を重視したレーベルならではのストロング・スタイル。
アーティスト写真も音資料もありませんが大丈夫。

P.S.F. からリリースされた一連のソロ・シリーズに一段落つき、
吠える練習//白線』『10(JUW)』と新しく始まったシリーズの第三弾にあたります。
いろいろ名盤・お気に入りあると思いますが、私にとってこのは『-1』が三上寛の最高傑作。
エレキ・ギター一本で悠然と唄う流石の貫禄です。
これはまさに現代の語り物。
説経、浄瑠璃、口説など多くの語り物が歩んできた道程を、
三上寛は縦横無尽に行き来しているように聴こえます。
シュールで難解な歌詞とも評されますが、
それは三上寛の見た世界の転読、
全てを理解できなくても、圧倒的な声とギターの説得力に不思議と染み入るはず。
絶叫絶唱する唄い手数多おりますが、三上寛ほどの優しい叫びはあまりない。

近年欧米(特にヨーロッパ)での評価が非常に高いのもこうした所以でしょうか。
度々の海外ライヴ招聘、デーモン&ナオミによって企画されたCD『International Sad Hits』でも
大きく取り上げられるなど様々な動きをみせています。

こうしたスタイルが確立されたP.S.F.リリースのソロ・シリーズ、
第一弾『俺が居る』から通して聴けば、まさしく壮大な段物。
最近いい音楽と出会っていないとお思いのあなた、大丈夫「三上寛が居る」。
従来のファンはもちろん、代表作とされるURC時代の作品しか知らない人も、
フォーク~ブルース~ロックンロール、あらゆる大衆音楽好きに贈る名作です。

と寛さんに言ってみても
「おおそうかい、ありがとう!」破顔一笑さらりと流されてしまいそうですが。

そんな作品にデザインで幾許かの貢献ができたかはまた別問題であります。


(北村)



・アーティスト:三上寛
・タイトル:-1(マイナス・イチ)
・発売日:2009年3月20日
・規格番号:PSFD-8030
・プラケースCD


  1. 2011/05/31(火) 16:33:57|
  2. CD
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